金内に視覚無し、三年連続の完全優勝
2013.03.03
金曜日に降った雨。この雨は白樺高原のゲレンデを固くハードなバーンに変えた。土曜日(3/2)の事前練習で既に選手達は気を抜けない大会になることを予想していたが、3/3の朝、ゲレンデの最低気温を-13℃まで落ち込み、ゲレンデは更にその難易度を上げていた。
菅野選手のウルトラ福島弁のアドリブ選手宣誓で大会は始まる。みんな緊張しながらも和気藹々のJESCマインドはキープ。固ーくなったゲレンデに、ゆるーーい笑顔は忘れなかったが、どことなく引きつった笑顔であるようにも見えた。
ジャッジは今年もおなじみ白樺高原スキースクールの先生方。3審3採方式、しかも点数即時公開は自分とライバルを比較して、戦略を組む上でも楽しめるシステムだ。
JESC技術選の和気藹々コンセプトを象徴するように、中斜面種目はちびっ子による前走。中島みのりちゃんと、渡部奨士くんの二人が元気にゲレンデにシュプールを描く。緊張したゲレンデに和やかな雰囲気が流れる。二人の新鮮な滑りがものすごく印象的だった。
昨年の選手数は17名。今年は若干増えて19名。わざわざ仙台から参加してくれた山口夫妻、そして自称シニアパワー全開スキーヤー小林もウルトラ元気な滑りを魅せてくれた。
大会は終始、ディフェンディングチャンピオンの金内がリードする。最初の種目 中斜面大回りでも他を寄せ付けないターンの美しさで健在ぶりをアピールすると、その後の種目でも安定した滑りを演じきる。最後の種目、固いコブ斜面で見せた高いレベルの雪面コンタクトはチャンプの圧倒的な力を象徴していた。やはり好敵手大沢のいないバーンに金内の敵はいないのか。。。。
しばらく現役から離れていた「昭和枯れスキーヤー」こと杉田も出足こそ遅れはするモノのさすがベテラン。大会で求められているモノが何かを感じ取りながら、徐々に高得点を上げ始め、結果的に若手を圧倒していた。
育休中?の山村。昨年よりは圧倒的に滑走日数が少ない、それでもそこは指導員検定から続いている強運。「俺には運が付いている!」と言わんばかりにゲレンデを攻める。さすがに最終種目のコブまでは運は続かないようで、かなりディフェンシブなコブ技術で滑るも上位入賞を決めるには十分であった。
そして小林は数年ぶりの参加。参加者の中では最高齢であったはずだがゲレンデを滑る彼にはそんな雰囲気は微塵のかけらも無かった。上手い!巧み!そんな言葉が彼には当てはまる。決して大きな身体では無いが、特にロングターンで見せる彼の体軸の使い方は他の誰よりも美しかった。
仙台から参加の山口。彼の滑りに迷いは無かった。潔い滑りが見ている側に安心感と上手さを感じさせてくれた。彼も久しぶりのGISEN参加組。この緊張感が楽しい!と言わんばかりの彼の滑りは見ていてとても気持ち良かった。
女子はママさんスキーヤーの清水が二シーズンぶりの参加。子守りをダンナに任せての参加だけに負ける訳にいかない。彼女も山口同様に潔く、かつ楽しげに見える。久しぶりの大会がとても楽しかったのだろう。元来きちんと基礎スキーを学んできただけに、安定性と繊細な表現に一日の長があったようだ。
昨年の女子チャンプの海老原も内足主導の技術を一生懸命に練習し、大会に臨んだ。明らかに昨年よりも上手くなっているのがわかる。大回り系での体軸の倒し方には飛躍的な成長の跡が見られるも、やはりディフェンディングチャンピオンのプレッシャーからか、滑りに硬さが見られた。
そして大会は終わった。19名全員がフルに力を出し切って白樺のゲレンデに思い思いのシュプールを描いた。「?」「!」など様々な驚き、葛藤、後悔が交錯しながらも みんなJESCのGISENをエンジョイできたようだ。
来シーズン、JESCは創部30周年を迎える。30周年の記念すべき大会に名を残すべく、もう今日からみんなの練習は始まっている。。。
総合順位
優勝 金内健一
2位 杉田栄
3位 山村直嗣
4位 小林恒重
5位 清水佳代
6位 山口大輔
女子
優勝 清水佳代
2位 海老原明奈
技術選のResultはこちら→2013 GISEN RESULT